古式天然醸造へのこだわり
本来の醤油づくりとは
昔、お醤油は味噌とともに、それぞれの地域で作られていました。
少なくとも、どの村にも醤油屋さんがあり、暮らしの中で作り続けられてきたものです。
原材料は、小麦と大豆と塩だけからつくられるのです。
小麦を炒り、大豆を蒸して(煮て)、麹菌をふりかけた後、湿度と温度を保ち、3日ほど発酵させて、
麹菌をびっしりと纏った醤油麹を作ります。それを塩水に仕込み、1年から2年、樽で混ぜながら醗酵・熟成させます。
樽で熟成したもろみをしぼると、ふくよかな香り・深い旨みのお醤油が生まれるのです。
変わってきた醤油の世界
醤油は、昔からなくてはならない一番大事な調味料でした。
しかし、第二次世界大戦を機に食糧統制などで、
原材料も確保できずに手間暇をかけた醤油づくりが全国的に困難となりました。
終戦後、最も変化したもののひとつに醤油の製造法があげられます。
それまでのように小規模で年月をかけ、
じっくりと熟成させて作る丸大豆の古式本醸造法ではなく、
大豆から脂分を除いた「脱脂大豆」を用い、短時間で大量に醗酵させ、
合成アミノ酸を加えて作る醤油が大半を占めるようになりました。
今しぼり醤油の原材料
塩
国産海塩
国産の粗塩を使用しています。
大豆
国産大豆
今しぼりのメンバーが育てた大豆や 国産の大豆を使用しています。
小麦
国産小麦
有機認証をとっている地元農家さんから仕入れています。
古式天然醸造・今しぼりの醤油作り
地元産の小麦を丁寧に時間をかけて炒りあげます。(小麦は、有機認証を取っている農家さんのものです。)
ぱちぱちと爆ぜてくれば、焦がさないようにきつね色になるまでもうひと炒り 。
水を張ったコップに落して、浮くようになれば完成です。
炒った小麦を粉砕機で6~7分割ほどの大きさに粉砕します(石臼で粉砕することもあります。)大きさが不ぞろいなものが醤油づくりに良いとされています。
大豆は、今しぼりのメンバーが育てたものや 国産のもの使用しています。
よく洗い、一晩水につけた大豆を柔らかくなるまでゆでます。
親指と小指ではさんでつぶれるほどの柔らかさ、耳たぶほどの柔らかさと表現されるくらいです。
ひいた小麦とゆでた大豆をひと肌にさまして、麹菌をまんべんなく振りかけて、麹室に入れます。(この時、温度が高すぎると、麹菌が死んでしまいます。)
十分な湿度を保ち30度前後を維持しながら、72時間じっくりと醗酵させます。醤油麹は三日麹とも呼ばれます。
「入麹」して24時問ほどで麹菌が活発に動き始めて、自ら発熱しながら分裂を繰り返します。
「手入れ」と言って、塊になった麹を、ばらばらに解きほぐして、酸素を送り込み熱くなりすぎた温度を冷まします。
72時間で「出麹」のときには、緑色の麹菌にびっしりと包まれます。
温度が高すぎると、納豆菌が顔を出すので、夜中も温度管理をして、細心の注意をはらっています。
良い醤油麹を造ることが お醤油の深い味を生み出すので、渾身の力を込めてつくっています。