育ち具合を確認しながら、食べる喜び
今しぼりは、京都府綾部市の志賀郷地区にIターンしてきた9家族が、2017年4月に立ち上げた、生まれたての会社です。
それぞれの家族が、それぞれの思いでこの志賀郷に移り住み、豊かな里山の自然と集落に流れる穏やかな時間の中で生きることを決意して移住して来ました。
自然に向かい合う暮しは、家族ぐるみの暮らしです。季節ごとの農作業は、家族みんなでの大仕事です。そして、それは家族の中だけにとどまらず、家族と家族がまるごとでつながる暮らしなのです。
これまで都会で暮らしてきた私たちにとってすべてが新鮮な暮らし方でした。
大きな自然に包まれた世界は、小さな人間に「互いに助け合い、互いに分け合う暮らし方の知恵」を育ててくれます。
元来人間が生きるために必要な肉や魚や野菜なども、食べる以上には必要のないものです。多く収穫できても自分ですべて食べることはできません。残ったものは腐ってしまうばかりで、頑張って保存食にしてもたかが知れているのです。頑張って働いて手に入れた食料は、食べてもらってこその値打ちがあるのです。
昔から、人間は、分け合って、支えあって暮らしてきたのだと、自然は教えてくれます。価値を貨幣が媒介するようになり、自分の収穫をすべて自分のものとして蓄えることができるようになり、豊かに便利になった反面、失ったものはたくさんあるように思います。
ほとんどすべての価値を貨幣で代替できる社会は大きな格差を作り上げ、貨幣のために安全を犠牲にした食品が生まれたり、貨幣のために差別的な雇用形態を生みました。
私たちの暮らしには、都市部での暮らしの「快適さ」は無くても、その陰で都市部の生活で失ってしまった「生活の優しさや健全さ」があります。原発による発電や人を使い捨てる派遣雇用など、いくら儲かってもそれはしてはいけないことも沢山あるはずです。
今しぼりは、こんな私たちが私たち自身の生活をより確かなものとして築きながら、多様化する現代社会に私たちの「経験や思い」をなにかしら発信できればと立ち上げた会社です。
商品として当面提供するものは、
・誰でも簡単に昔ながらの醤油づくりに取り組める
「育てる醤油」
・自分自身で搾り出し、一番搾りの醤油を楽しめる
「今しぼり醤油」
・搾った後の、醤油たっぷりの材料まるままの調味料
「食べる醤油」
・私たちからの暮らしの提案ともつながる
「ワークショップ」や「イベント」です。
私たちは、私たちの考えや商品に共感していただける皆さんを「今しぼり会員」として迎え入れて、顔の見えるお付き合いをしながら、この事業を進めてゆきたいと考えています。